メンバーと研究内容MEMBERS

伊賀文俊教授
  • 茨城大学 理学部 理学科 物理学領域
  • 茨城大学 大学院 理工学研究科 量子線科学専攻 物質量子科学コース
  • 茨城大学 フロンティア応用原子科学研究センター
  • 電子メール:fumitoshi.iga.sciphys@vc.ibaraki.ac.jp

1.高圧合成による機能性物質開発

常圧では作製できない物質は、高圧環境下では作製可能な場合がある。地球深部、地下600 kmでは圧力は25万気圧にも達するが、そのような環境を再現し、新規の化合物開発を目指す装置が下の写真である。これまで未作製のGdB12やSmB12などの新しい希土類ホウ化物の合成に成功してきた。現在は、さらに軽希土類のホウ化物や新しい有機化合物の高圧合成にも挑戦中で、新機能性材料開発と物性評価を進めている。

2.希土類ホウ化物近藤絶縁体におけるエキゾチック物性の解明

希土類ホウ化物の純良単結晶を光集中加熱炉で浮遊帯域溶融法(FZ法)により育成し、その物性研究を行っている。次世代の高速デバイスとして期待されるトポロジカル近藤絶縁体SmB6とYbB12の大型純良単結晶のバルクの磁性や伝導、熱物性のほか最近注目されている表面物性などを測定して強相関電子状態の解明を進めている。近年磁場下で金属でしか示しえない量子振動が絶縁体のYbB12の電気抵抗の磁場依存性で見つかり、その発生機構が世界的に注目を集めている。

研究内容

岩佐和晃教授
  • 茨城大学 フロンティア応用原子科学研究センター
  • 茨城大学 大学院 理工学研究科 量子線科学専攻 ビームライン科学コース
  • 茨城大学 理学部 理学科 物理学領域
  • 電子メール:kazuaki.iwasa.ifrc@vc.ibaraki.ac.jp

1.希土類強相関電子系におけるカイラル対称に保護されたワイル半金属の探索

反転対称性がない物質では相対性理論の解で表される電子状態の実現が予想され、世界中で調べられています。私達は、図のようなカイラル対称構造をとる近藤半導体で「ワイル解の電子」を追究しています。

2.高次電子多極子の秩序と電気伝導への効果

電子は電荷・スピン・原子中での軌道運動が織りなす高次モーメント「電気多極子・磁気多極子」をもちえます。私達は希土類金属化合物の金属?非金属転移や超伝導転移に伴う多極子の自発秩序を探っています。

3.相転移近傍における非調和原子振動や磁気揺らぎによる量子臨界電子物性

物質の結晶構造や磁気構造が相転移する近傍では、エネルギーの低下した非調和原子振動や異常磁気ゆらぎが現れます。それらによってもたらされる新しい電子運動や電気伝導(量子臨界現象)を、X線回折計や中性子散乱装置で調べています。

研究内容

大山研司教授
  • 茨城大学 大学院 理工学研究科 量子線科学専攻 ビームライン科学コース
  • 茨城大学 フロンティア応用原子科学研究センター
  • 茨城大学 工学部 物質科学工学科
  • 電子メール:kenji.ohoyama.vs@vc.ibaraki.ac.jp

1.白色中性子ホログラフィーによるドープ系機能性材料での原子構造へのドープ効果の解明

シリコン半導体などのデバイス材料では、ホウ素などの異種元素を0.0001%ほど添加することでその性能を発揮させます。このためシリコン中でホウ素の位置、ホウ素添加による周りのシリコン構造の変形を知ることが性能の最適化に不可欠です。私の研究室では図のような異種元素(黄色)周囲の原子構造を三次元で可視化する方法を世界で初めて実用化し、世界で茨城大でしかできない原子構造研究を進めています。

2.希土類磁性体、強相関電子系の磁気相関の研究

磁性をもつ元素群である希土類(Ce-Yb)の化合物は特異で多彩な磁気的、電気的な性質を示すため、物質の本質を理解する上で大変魅力的です。我々は中性子を物質に入射しその反射を観測することで、原子や原子の持つ磁石を観測し、物質の性質を決定づける機構の解明に挑戦しています。

3.白色中性子を用いた新しい原子観測技術の開発

中性子線は物質の性質を原子レベルで直接観測するにはうってつけのビームです。茨城大学の近隣にはJ-PARCという世界有数の中性子実験施設があり、中性子を駆使した物質研究が可能です、我々は中性子を利用した新しい原子観測技術をJ-PARCで開発しています。茨城大でしかできない技術で世界と競争します。

研究内容

桑原慶太郎教授
  • 茨城大学 大学院 理工学研究科 量子線科学専攻 物質量子科学コース
  • 茨城大学 理学部 理学科 物理学領域
  • 茨城大学 フロンティア応用原子科学研究センター(兼務)
  • 電子メール:keitaro.kuwahara.kk@vc.ibaraki.ac.jp

1.強相関電子系の磁性

希土類・アクチナイド化合物など強相関電子系と呼ばれている物質群の磁気的性質や構造などについて主に中性子散乱、X線散乱の手法を用いて実験的に調べています。

研究内容

中野岳仁(代表)准教授
  • 茨城大学 大学院 理工学研究科 量子線科学専攻 物質量子科学コース
  • 茨城大学 理学部 理学科 物理学領域
  • 茨城大学 フロンティア応用原子科学研究センター(兼務)
  • 電子メール:takehito.nakano.phys@vc.ibaraki.ac.jp

1.多孔質結晶中に配列したアルカリ金属ナノクラスターの相関s電子系

ゼオライト結晶ではナノサイズの空隙(カゴ状構造)が周期配列しています。このような配列ナノ空間を利用して、互いに相互作用するアルカリ金属ナノクラスターを配列させた物質が作製できます。ゼオライトの結晶構造には200を超える種類があり、結晶構造とアルカリ金属種の組合せに依存して、s電子による磁気秩序(強磁性,反強磁性,フェリ磁性)や絶縁体金属転移などの多彩な物性が発現します。これらは元の構成元素の個性を超えた物理現象です。本研究ではこのようなユニークな新物質群を独自に開拓し、広帯域分光、磁化率測定、電子スピン共鳴などの基礎物性測定や、ミュオンスピン回転/緩和、中性子回折などの量子ビームを活用した様々な測定法により研究し、これらの物性の機構解明や新しい現象の発見を目指しています。

研究内容

横山淳准教授
  • 茨城大学 理学部 理学科 物理学領域
  • 茨城大学 大学院 理工学研究科 量子線科学専攻 物質量子科学コース
  • 茨城大学 フロンティア応用原子科学研究センター(兼務)
  • 電子メール:makoto.yokoyama.sci@vc.ibaraki.ac.jp

1.重い電子系化合物における量子臨界現象と超伝導の相関

重い電子超伝導体CeCoIn5は、超伝導の上部臨界磁場Hc2近傍の磁場領域において、各物理量に量子臨界揺らぎに起因する異常がみられます。しかし、量子臨界揺らぎの原因となる秩序変数が不明であるため、その起源は未解明です。私たちの研究室では、Znを混入したCeCoIn5においてはじめて、新たな磁場誘起反強磁性秩序相やその量子臨界揺らぎを発見しました。比熱にみられる量子臨界揺らぎに対して行ったスケーリング解析によれば、Znを混入した系と混入していない系でみられる量子臨界揺らぎはほぼ同一の起源によるものであることが示唆されます。つまり、CeCoIn5のHc2近傍でみられる量子臨界揺らぎは、Znを混入した系で観測された磁場誘起反強磁性秩序相と同等な性質を持つ「隠れた」秩序変数に起因することが期待されます。

2.金属絶縁体転移不安定性を持つ4dおよび5d遷移金属酸化物の不均一磁性とダイナミクス

4dおよび5d遷移金属酸化物には、d電子間に強い相関を持ちながら遍歴的な挙動を示す物質があります。しかし、金属絶縁体転移の不安定性を持つ系では、d電子が遍歴性を持つにもかかわらず局所的(局在的)な空間対称性や電子相関が物性に重要な寄与をすると期待されます。私たちはこれまで、強磁性金属SrRuO3に様々なイオンを混入した系で、通常は相反するべき電子の局在・遍歴性の両方が同時に発現した量子状態を発見しました。

研究内容